インプラントは失敗しないのか?
インプラントの歴史
きっかけは偶然の出来事
人工歯根を埋め込み、「第二の歯」とするインプラント治療。自分の歯と同じように噛むことができる画期的な歯科治療法として世界中で注目されています。意外にもインプラントが開発されたきっかけは、偶然の出来事でした。
1952年、スウェーデンのブローネマルク博士が血液の流れを調べる目的で、うさぎの体内にチタン製の生体顕微鏡用の器具を埋め込んだところ、骨と顕微鏡器具がくっついて外すことができなくなってしまったのです。これにインスピレーションを得たブローネマルク博士はその後13年間、あらゆる基礎実験や動物実験を重ねて、歯科治療への応用方法を探っていきました。そして、「チタンがある一定の条件で骨に埋入された時、骨の拒否反応が起こらず強い結合が生まれる」ことを明らかにしたのです。
そして1965年、人工歯根としての臨床応用をスタートし、現在のインプラント治療へと発展したのです。最初にインプラント治療を受けた当時30代の男性のインプラントは、35年以上経った今も何の問題もなく機能していると報告されています。1998年、ブローネマルク教授はこの偉大な功績によって、スウェーデン政府からグランドプライズ賞を授与されました。
日本での歴史
日本でインプラント治療が一般に普及したのは、今から30年ほど前です。最初の10年ほどはセラミックや非金属などで作られたインプラントが多く、現在と比べると成功率が非常に低い状態でした。しかし、チタン製のインプラントが主流になった現在では、その成功率は実に95%以上。非常に失敗の少ない治療法となりました。その中でもインプラント治療を確実に成功させるには、以下のようないくつかの条件があります。
インプラント成功のために
歯科医師側 |
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患者さま側 |
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インプラント治療の成功のために一番大切なのは、歯科医師と患者さまが十分なコミュニケーションを取り、
協力して治療を成功させるという意識を共有することだと言えます。